金属の加工方法


粉末治金

微粒子の集団を溶融温度の80%程度に加熱すると、凝集を起こして強固になる性質があります。この現象を焼結とよんでいます。
このような性質を金属に適用して、いろいろな製品(鉄系製品)を作ることを粉末冶金といいます。

粉末冶金の特徴としては、

  1. 粉末であるため取扱が容易であること。
  2. 溶解による合金化が困難な成分も、粉末であるため配合が容易で、新たな複合材料を作れる可能性がある。
  3. 原料が粉末であるため、金型による全自動プレス加工ができ、型抜き可能な形状であれば寸法精度が高い小型製品を高歩留りで、多量生産ができる。
  4. 溶融温度の80%程度の低温で処理可能なため、温度制御が正確にでき、熱効率よく多量生産ができる。
  5. 粉末と粉末の間に隙間を持っているため、その隙間に油などの潤滑剤をしみ込ませ、潤滑性のある製品を作ることもできる。
    などが挙げられます。

粉末冶金の歴史は比較的浅く、1910年に高融点のタングステンの針金を作ったことに始まります。
鉄系の粉末冶金製品の発祥は1943年前後にドイツで多量生産された、砲弾の焼結砲帯(砲身と砲弾の接する帯)であるとされています。
この砲帯にはパラフィンが含侵され、砲身内での摩擦緩和を考慮されていました。この技術は、その後自動車部品や家電部品、事務器部品などの製造にも応用され、粉末冶金法の地位を確立しました。

「粉末冶金製品の製造工程」
粉末の製造工程
粉末の調整工程
粉末の圧縮成形工程
成形品の焼結工程
後処理工程

鉄・粉末の製造工程

鉄粉の製造方法としては、下記の6種類ありますが、主に①ミルスケール還元鉄粉法、②鉱石還元鉄粉法、③噴霧鉄粉法、などで製造されています。
①ミルスケール還元鉄粉法 ;鋼材の圧延時に発生するミルスケールをコークスで還元
②鉱石還元鉄粉法 ;鉄鉱石を原料とし、同上処理
③噴霧鉄粉法 ;溶融鉄を細孔より流出させ、高圧水や高圧ガスで粉末化
④電解鉄粉法 ;鉄を含む硫酸鉄、塩化鉄などの水溶液から鉄を電解析出
⑤カルボニル鉄粉法 ;カルボニル鉄を Fe(CO)5に水蒸気を加え熱分解し粉末化