溶湯処理


接種処理

接種とは溶湯にある物質を少量添加し、その合金効果以上の物理化学的変化を与えることをいいます。
尚、この効果には接種後、時間経過と共に消失していく現象があります。(フェーディング)
従って、接種後すみやかに鋳込む必要があります。
具体的な効果としては、
・ねずみ鋳鉄では鋳込み直前に処理しますが、低炭素当量成分ほど、その効果は高くなり

  1. 黒鉛を小さく均一にし強度を向上。
  2. 薄肉部と厚肉部の組織を均一化。
  3. チル(セメンタイト)を防止し切削性を向上

させる効果があります。


・球状黒鉛鋳鉄では球状化処理後に接種し

  1. 球状黒鉛を小さく数多く生成させ靱性を向上。
  2. チル(セメンタイト)を防止し切削性を向上。

させる効果があります。

 

接種の効果例(チル防止)
接種の効果例(チル防止)

黒鉛組織改善
黒鉛組織改善

接種剤

一般的には50%Si,75%SiのFe-Si が使用されますが Sr,Zr,Baなどを合金化した接種剤が各種市販されています。

■一般的な接種の仕方

接種の目的 溶湯の性質 接種剤および量(%) 注意事項
薄肉部のチル化防止 酸化による場合 Fe-SiまたはCa-Si
0.1~0.2
炭素・珪素が低く、白鉄化傾向の
大なるときは、Fe-Siの量を0.4%
くらいに増やす。
C、Siの低い場合 Fe-Si 0.1~0.2
強度の改善 白鋳鉄の場合 Ca-Siまたは高Al
Fe-Si 0.2~0.4
過剰接種にならないよう注意する。
ねずみ鋳鉄の場合 Ca-Si 0.2~0.3
酸化している場合 Ca-Si 0.2~0.4
材質を均一にする Ca-Si 0.1~0.2
フェライトの析出を阻止 C、Siの高い場合 Si-Zr、Fe-Cr
厚肉部のフェライト化 Ca-Si

接種の方法

一般的には取鍋内で処理されますが、フェーディング 防止の観点から、取鍋から鋳型に注入する時に連続的に添加する湯流れ接種や鋳型内の湯道に接種剤を置き、注入された溶湯と反応させる鋳型内接種(インモールド法)なども行われています。

接種方法例接種方法例