鍛造

 

人類が最初に用いた最も古い加工方法が鍛造です。即ち、最初に金を発見したときに、この金をたたき延ばし装飾品などを作りました。鍛造の目的は希望の寸法、形状を歩留り良く成形することと、材質を向上することにあります。鍛造方法としては、大きく分けて型鍛造と自由鍛造があり、型鍛造は金型に加工金属を押しつけ、プレス、又はハンマーなどで金型通りの形状に加工する方法です。
この方法での材料は、圧延材が主に使用され、金型などの制約から小型の量産品の製造に向いています。加工金属は熱間、温間、更に冷間で鍛造されますが、温度が低いほど加工精度は良くなります。
又、金型を使用する関係から、加工形状には金型から抜くことが出来る簡単な形状に制約されます。
自由鍛造は金型などの制約がなく、大型製品、更に特殊製品が主な対象となります。
素材は鋼塊などの鋳造材を用いますが、熱間鍛造による鍛錬で鋳造時の欠陥を消失させるなど、材質を改善する働きもあります。

自由鍛造の基本的作業としては、

1、鍛伸鍛造 ;長さ方向に延ばす。
2、展伸鍛造 ;一方向より圧縮方向へ延ばす。
3、据込み鍛造;厚みの方向に延ばす。
4、中空鍛造 ;孔を開けた材料に芯金をとうし、回転しつつ鍛造。

これらに穿孔、背切、ねじり、切断などを組み合わせて鍛造します。

クランクシャフトの鋳造工程
型鋳造の工程
クランクシャフトの鋳造工程 型鋳造の工程

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プレス

凹状金型と凸状金型の間に薄い金属板を挟み、圧力を加えることで、その金型通りの形状に変形させて加工する方法です。
代表的なものとしては、自動車のボデー、缶ビールなどの缶類が上げられます。
自動車のボデーは部分毎にプレス加工し、点溶接によって自動車の形に成形されます。

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粉末治金

 

微粒子の集団を溶融温度の80%程度に加熱すると、凝集を起こして強固になる性質があります。この現象を焼結とよんでいます。
このような性質を金属に適用して、いろいろな製品(鉄系製品)を作ることを粉末冶金といいます。


粉末冶金の特徴としては、

  1. 粉末であるため取扱が容易であること。
  2. 溶解による合金化が困難な成分も、粉末であるため配合が容易で、新たな複合材料を作れる可能性がある。
  3. 原料が粉末であるため、金型による全自動プレス加工ができ、型抜き可能な形状であれば寸法精度が高い小型製品を高歩留りで、多量生産ができる。
  4. 溶融温度の80%程度の低温で処理可能なため、温度制御が正確にでき、熱効率よく多量生産ができる。
  5. 粉末と粉末の間に隙間を持っているため、その隙間に油などの潤滑剤をしみ込ませ、潤滑性のある製品を作ることもできる。
    などが挙げられます。

粉末冶金の歴史は比較的浅く、1910年に高融点のタングステンの針金を作ったことに始まります。
鉄系の粉末冶金製品の発祥は1943年前後にドイツで多量生産された、砲弾の焼結砲帯(砲身と砲弾の接する帯)であるとされています。
この砲帯にはパラフィンが含侵され、砲身内での摩擦緩和を考慮されていました。
この技術は、その後自動車部品や家電部品、事務器部品などの製造にも応用され、粉末冶金法の地位を確立しました。
 
「粉末冶金製品の製造工程」
粉末の製造工程
粉末の調整工程
粉末の圧縮成形工程
成形品の焼結工程
後処理工程

鉄・粉末の製造工程

鉄粉の製造方法としては、下記の6種類ありますが、主に@ミルスケール還元鉄粉法、A鉱石還元鉄粉法、B噴霧鉄粉法、などで製造されています。
@ミルスケール還元鉄粉法 ;鋼材の圧延時に発生するミルスケールをコークスで還元
A鉱石還元鉄粉法 ;鉄鉱石を原料とし、同上処理
B噴霧鉄粉法 ;溶融鉄を細孔より流出させ、高圧水や高圧ガスで粉末化
C電解鉄粉法 ;鉄を含む硫酸鉄、塩化鉄などの水溶液から鉄を電解析出
Dカルボニル鉄粉法 ;カルボニル鉄を Fe(CO)5に水蒸気を加え熱分解し粉末化

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溶接

溶接とは板、棒、アングルなどの金属材料を突き合わせ、溶接棒を電気的なアーク、及びガス加熱などで溶融させて接合し、目的の形状のものを造る加工方法です。
主に、ビルの鉄骨構造、橋、船の船体などに使用されますが、機械部品などにも使用されています。
しかし、溶接工法は角張った直線を組み合わせたような形状となるため、曲面を持った構造物は溶接だけでは造れないといった弱点があります。
この弱点を補うため、鋳造品(鋳鋼品)と溶接を組み合わせ、それぞれの長所を生かす加工方法に関心を寄せられているようです。
又、自動車の車体のようにプレスで成形した部品を点溶接で一体化するなど、他の加工方法と組み合わせる必要があります。

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鋳造

鋳造によらねばつくれない形状と鋳型の構成
鋳造によらねばつくれない
形状と鋳型の構成

鋳造とは溶けた金属を型に流し込み、製品を製造する工法をいいます。
出来た製品が鋳物です。
鋳物は固体の金属を溶解し、自由に変形しやすい液体に変えて鋳型に流し込み、目的の形を一挙に作り上げることができるという大きな特長があります。
流し込む鋳型がどのように複雑でも、流し込む金属が液体であり、力を加えなくても隅々なで流れ込み鋳型通りの鋳物ができます。

鋳物の特長としては、

  1. 複雑なもの、精密なものなど希望するほとんどの形状のものが作れる。
  2. 数グラムから数百トンまで形状、重量の大小にかかわらず作れる。
  3. 固体状態では加熱しても加工できないような 金属合金でも溶解できれば、ほとんどの金属合金で鋳物ができる。
  4. 1個でも数万個でも同じものが作れる。

など、これまで紹介した鍛造、プレス、粉末冶金、更に、溶接などの他の加工方法にない優れた特長があります。しかしながら、自動車のボデーに代表されるプレス製品のような薄物になると、溶融金属は鋳型内を流れていくうちに熱を奪われて凝固してしまい、鋳型内を満たしきれなくなるため、肉厚の最小限度は2〜3mm程度に制限されます。
これまで紹介した金属の加工方法のうち、溶接を除く鍛造、プレス、粉末冶金、鋳造などの産業を素形材産業と言います

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