鋳造方法

 

鋳物の生産においては金属地金の溶解や溶湯処理の他に、溶湯を流し込む鋳型が必要となります。この鋳型には沢山の種類がありますが、銑鉄鋳物生産に使用される主な種類を紹介します。

▼生型鋳造法

生型法は自動車部品など大量生産の工場などで上型、下型の主型に使用されています。
原料として@珪砂 A粘土(ベントナイト) B水 C離型剤(黒鉛)などを添加混錬します。
利点としては

@鋳型から直ちに模型を抜取りでき中子を納め、 主型の型合わせを行うことでそのまま注湯できる。
A鋳物が容易に取り出せる。
B砂が繰返し使用でき、再生処理が簡単。
C材料費が安く、有毒ガスの発生がない。


CO2 型


無機質自硬性鋳型の代表格で、やや大型の鋳物製品に使用されることが多いようです。
原料として
@珪砂 A離型剤(黒鉛) B珪酸ソーダーなどを添加混錬します。
造型後、CO2 ガスを吹き込むことで、瞬時に堅固に硬化します。 問題点は余りに硬いので注湯後の型バラシが困難であることです。


フラン鋳型


無機質自硬性鋳型の型バラシ困難性を解消するために開発されたもので、フラン鋳型有機質自硬性鋳型の代表格となっています。
原料として
@珪砂 A離型剤(黒鉛)Bフラン樹脂などを添加混錬します。
造型後は常温硬化し、又、加熱すれば速やかに硬化する性質があります。
更に、注湯後の残留硬度がいちじるしく低く、型バラシが良いという性質があります。


シェルモールド鋳型


シェルモールド鋳型は自動車工業の発展に伴い飛躍的な増産が行われてきました。
主型にも使われることがありますが、主用途は中子用材料となっています。
原料として
@珪砂 Aフェノール樹脂などを添加混錬、又は珪砂の表面にフェノール樹脂を被服(レジンコーテッドサンド)
鋳物の金型模型を加熱して、このレジンコーテッドサンドを入れると、金型の温度でフェノール 樹脂が軟化しついで硬化します。注湯後は自然崩壊し、型バラシが良いという性質があります。

Vプロセス


この砂型は水分、粘結剤及びなんらの添加剤を含まない珪砂だけを用い、砂型内を真空状態にするだけで堅固な鋳型を造る方法です。

制作例を右図に示しますが、定盤と模型の表面に加熱した薄いプラスチックフイルムを覆って金枠を置き、その中に珪砂だけを入れ、更に金枠の上面にもプラスチックフイルムで覆ってから、真空ポンプで金枠内を真空にすれば、大気圧で強固な鋳型が成形されます。
この方法の利点としては

@造型時の騒音、振動、ガス発生が少なく、公害発生が少ない。
A砂に混じり物がなく、砂回収率が高く砂処理装置が簡略化される。
B模型の磨耗が少ない。


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▼フルモールド鋳造法


フルモールド鋳造法とは発泡ポリスチレン で作った模型を砂の中に埋め込み、そのまま溶湯を注入し鋳物を製造する方法です。
即ち、通常の方法では模型を砂から取り出し、その空隙に溶湯を注入しますが、この方法では注入された溶湯の温度で発泡ポリスチレンが燃焼気化し、溶湯と置換されて鋳物が出来るものです。
特長としては
@従来法の鋳型の分割、鋳型合わせ、中子制作、中子セットな どの作業がなく、作業が省略される。
A従来法の鋳型合わせなどが無いため、合せ面からの湯差し によるバリの発生がなく、仕上げ加工が簡略化される。
BVプロセスと同様に粘結材などを含まない鋳物砂が使用でき砂費用の低減となる。
欠点としては
@発泡ポリスチレンの炭素が気化時に遊離して表面に付着し残渣 を生じることがある。

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▼金型鋳造法


中国では紀元前から、すき、くわの製造に金型を使うなど、この方法は古くて新しい技術といえます。
この技術は永い間途絶えていましたが、現在では省力、省資源、環境改善に適した技省資源、環境改善に適した技術として注目されています。
この方法は鋳型として砂は全く使用せず、金型の内面にケイソウ土などの基礎塗型を塗布し、更に鋳造毎にアセチレンすすなどを塗布し、溶湯を注入します。
金型は熱伝導が大きく、溶湯が急冷されチル化(セネンタイト)し易い欠点がありますが、鋳造条件の設定で克服されます、設定条件としては、鋳造方案の決定、金型材料の選定、塗型、金型温度、鋳込み温度、離型時間の設定、の順で設定されます。

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▼遠心鋳造法


遠心鋳造法は、回転する円筒形容器に溶湯を注入したとき、溶湯に作用する遠心力によって円筒形容器の内壁に押しつけられ、パイプ状の鋳物が形成されることを利用したものです。
方式としては、水平状の横型と縦型があり、横型では鉄管のように長い製品に適用され、縦型では長さ方向の短い製品に適用されています。
遠心鋳造の特長としては

@中子を用いずパイプ状の鋳物が生産でき ることに最大の 特長があります。
Aパイプ状の鋳物では湯口や押湯を必要とせず、歩留りが大きく向上することにあります。
B遠心力の働きにくい不純物は内面に分離押し出され、
 外面は緻密、健全な鋳物となります。

欠点としては

@合金の種類によっては遠心力で偏析が促進されることがあります。
A厚肉品では各種の技術的困難さを伴うことがあります。

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横型遠心鋳造法
縦型遠心鋳造法
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